ご相談内容
小売業を運営して6年目になります。おかげさまで収益はなんとか黒字をキープしているのですが、損益データの分析がいまいちよくわかっていなく、なんとなく売上から仕入れを引いて経費を引いたら利益ぐらいの把握に留まっています。今後の運営を考えていく上で、どのような点を重点的に見ていくのが良いのかをご相談したいです。
小売業運営会社 U |
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数字のどこを見るのが適切?
黒字化をキープされているのは素晴らしいですね!損益データでどの部分を見ていけば良いのか?というご相談ですが、まずは一月だけで判断するのは難しいものなので、経過を意識して見ていくのが良いですね。
例えば1月〜3月の流れを数字の流れを見て、基準値となる数字より大幅に変化があった項目に関しては、なぜこの数字が出たのかを明確にしていきます。展示会を2月に行ったので、2月の販売促進費、広告費用が通常の月より多くなるのは当然です、
しかしながら、展示会もなかったのに3月に販売促進費が大きく膨らんでいたとナルト、そこには何かしら原因が潜んでいます。間違って費用計上されているのか、2月分の請求がずれて3月にきているのか。必ず原因は数字に現れてくるので、流れを見ながら分析していくと、全貌が見えてきます。また、前年度との比較をすることによっても、去年はこれぐらい費用があったのに、今年は少ないなーとか、逆も然りで、去年はこれぐらいしかなかったのに、今年はこれぐらいに増えているなとなると、現場に何か原因が落ちている可能性もあります。
数字で現場の問題点を発見する
採用費用がグンと去年の数値より上がっていた場合、単純に人員補強であれば問題はありませんが、スタッフの入れ替わりが激しく、採用費用ばかりがかさんでしまうとなれば、採用にお金がかかっているのが問題なのでがなく、人が入れ替わりやすい環境になってしまうということが問題点であるというのが分析できます。
では人の入れ替わりが激しい原因は何なのか?を突き詰めて考えていくと、もしかしたら人間関係かもしれませんし、給与待遇、やりがいなどが原因で人の出入りが激しかったというのを発見することができます。損益の数値は単純に黒字になった、赤字だったというのを見るのではなく、そこから根本的な問題は何か?を探るきっかけの資料にすることも可能なのです。
みなさん苦手な貸借も重要ですよ
損益の話が出たので、ついでに貸借のお話もいたしますが、損益の方は売上から仕入を引いて、経費を引くと単純な感じがするので、そちらばかりに意識が行ってしまいがちですが、同じぐらいに重要なのが貸借の見方です。
貸借は見方がよくわからないから好きじゃない方も多いと思いますが、少し知っているだけで、運営の視点も全く変わってくるので、今知ってもらえると嬉しいですね。見方としては、損益の見方と同じです。単月で見るというよりは、必ず経過を見ます。経過を見た上で、増加、現象の原因は何かを明確にしていきます。
貸借の資料は現預金や、資産の流れなので、本当に重要です。主にどこを見ていけば良いのかというと、まずは現預金がどれぐらいなのか?商品を売って未回収の資金はどれぐらいあるのか?商品を買ってまだ支払っていない金額はどれぐらいか?借入金はどれぐらいか?お金に変えられる資産はどれぐらい持っているのか?在庫はどれぐらい保有しているのか?あたりですね。
売上は順調に伸びているのに、なぜか現預金が少ないとなると、先行して資金が出ている、つまり仕入れ代金の支払いが遅い、売上が上がってからの入金が遅いなどの原因が考えられます。そうなると、次の仕入れも先にお金が必要になるので、その資金を確保する必要があります。借入金で行うのか、それとも売上の代金回収を早くしていくのか?というように、資金確保の判断を余裕のあるうちにすることができるのですね。しかしながら、なぜ売上があるのに、お金がない原因がわかっていないと、先の対策も立てれないですし、最悪のケースだと黒字倒産という場合もあります。
どのような対策法があるのか?
対策としては、支払いの取引業者、売上の取引先、どちらもですが、出金、入金の期日は必ず確認することです。担当部署が増えたり、担当者が増えれば増えるほど、知らぬ間に期日を決定して取引してしまうなんてこともあります。そうなると出金と入金のバランスが悪くなっていまう場合もありますので、必ず統一性を持しての取引契約をされることをおすすめいたします。
また小売業となると、どうしても出てくる在庫問題。全て売り切れれば問題はありませんが、季節を過ぎてしまって売れ残ったものは在庫になってしまいます。とりあえず保有していれば問題はないでしょ?とお考えの方も多いですが、保有している分、管理料は毎月かかりますし、現預金が在庫に変換されているので、眠ったお金のために費用がどんどん出て行ってしまっている状態になっています。全部売り切るのが一番良いので、全部売り切る方法を考えるというもの素晴らしい方法ではありますが、仮に売れ残ってしまった場合はどうするのか?を一定のルールで管理されるのが良いです。在庫になって〇〇日以上たったら、廃棄してしまう。値引きして売る。業者に買い取ってもらう。翌年の販促に使う。など。先にルールを決めておくと、どこにも行き場のなくなった在庫は減ってきますし、その分コストも浮いてきますので、資金の余裕も生まれます。もったいないからをいつまでもとっていても、売る機会がなければ商品ではないので、その辺りは気をつけて注視してみてくださいね。
最後に、
数値のデータ分析となると、表面上の数値を追っていまいがちなのですが、数字も生き物なので動きがあります。その動き方をいかに把握して、次の手をどう打っていくのか、現場に隠れている問題点をいかに発掘していくのか?というのを意識されるとガラッと見方も変わってきますよ。粗利〇〇%キープしないといけない、利益はこれぐらい出さないといけないなどの過度なプレッシャーをかけてしまいますと、ただの数字合わせの資料になっていまい、本当の問題点が隠れてしまうので、素の数字からいかに読み解くのかが重要ですね。
ぜひお試しくださいませ。
ご相談を終えて
いや〜〜
最近のフィギュアは本当に立派にできてますな〜〜
びっくり。
その分値段もびっくり😆😆